「連絡先リスト」列の「優先表示連絡先」は50、「複数選択連絡先」は20が上限でした

連絡先リストを基準に、現在、ログインユーザーが属している組織のタスク表示するというソルーションを作ろうとして、「連絡先リスト」列の「優先表示連絡先」及び「複数選択連絡先」の上限数を調べたところ、「連絡先リスト」列の「優先表示連絡先」は50、「複数選択連絡先」は20が上限でした。

あまり典型的な利用方法ではありませんが、例えば、50を超える地方組織があり、それぞれのダッシュボードでその地方組織のタスク等のリストを表示させたいとします。
50以上のダッシュボードいちいち作るのは大変なので、Current User(現在ログインユーザー)のフィルターでそのユーザーが属する組織のタスク等を表示するレポートを作り、1つのダッシュボードでログインユーザによって、見せる所属組織のタスクを変えたいとします。

現在ユーザーによる当該ユーザ所属組織のタスクの表示
支社メンバーリストに現在ユーザーが含まれているかを基準にレポートでタスクを絞り込み


この場合に、組織では、数十名以上がその組織に所属するということは通常あるので、「連絡先リスト」列の「優先表示連絡先」及び複数選択連絡先」の上限数制約を調べ、対処法を考えてみました。

優先表示連絡先とは

「連絡先リスト」列に優先表示させる連絡先を設定すると、「連絡先リスト」セル、または対応している Smartsheet フォームのフィールドのドロップダウン矢印をクリックして、すばやく連絡することが可能になります。
この「優先表示連絡先」の上限をテストしたところ、下のイメージのとおり50でした。すなわち、ドロップダウンで選択させたり、あるいは、連絡先をリストに制限する場合の、利用可能な連絡先の上限は50に設定されているようです。(なぜ、50に設定しているかは不明ですが、そのくらいあれば、足りるだろうということでしょう。)

優先連絡先の上限数

複数選択連絡先とは

一方、複数の人に割り当てる必要があるタスクがある場合は、「セルごとに複数の連絡先を許可する」をチェックすることにより、複数選択をできるようにします。

この複数選択連絡先の上限をテストしたところ、下のイメージのとおり20でした。
これについては、英語版のヘルプ記事にはその旨の記述があり、You can add up to 20 contacts per cell. (1つのセルにつき最大20件のコンタクトを追加することができます。と記述されているので、そのような仕様のようです。

複数連絡先の上限は20

連絡先の上限の実務上の制約

優先表示連絡先の制約

あるタスクについて、割り当てうる連絡先を制約したい場合、50に限られるというのが回避不能な実際の制約ですが、実務上は50に限るといった場面は、通常の組織の場合ないと思うので、大きな制約でないと思います。
単に、ドロップダウンリストで表示する候補を増やしたいのであれば、メールアドレスを、連絡先(Contact list) でなく、50といった上限のないドロップダウンリスト (Drop Down List) にして、連絡先の列のそのドロップダウンリストの列を式で参照すれば対応可能です。

ドロップダウンリストのメールから選択して式で連絡先に入れている例

複数選択連絡先の制約

あるタスクに20を超える担当者を割りあげるということは実務上適切でないので、この意味での制約はないと言えるでしょう。必要であれば、グループを使えばよいだけです。

Current User(現在のユーザー )のフィルターで実務上の制約

むしろ大きな問題は、レポートのフィルターでCurrent User(現在のユーザー )を用い、その行のタスク等を担当する組織のメンバーリストにCurrent User(現在のユーザー )が含まれている、という条件でフィルターをかけようとするとき、20の上限が問題となってきます。

例えば、支社毎のデータを表示するダッシュボードで、現在ログインしている者の支社のデータのみ表示したいといった場合に、支社メンバーといった複数選択連絡先の列を用意して、支社名をキーとして、別表から支社メンバーを引っ張ってきて、その複数の支社メンバーに現在ログインしているユーザが含まれているか、という判定をする場合、支社のメンバーの数が20に制約されてしまいます。

例えば、下の図は北海道、東北等の支社のメンバーリストを複数選択連絡先で指定しています。(メンバー2については後ほど説明します。)

支社メンバーリスト

次に下の支社毎タスクリストでは、支社(Branch Office) のメンバーを上のシートから支社名をキーにクロスレファランス関数で参照しています。

支社タスクリスト(支社メンバーリスト付き)

そして、下のレポートでは、支社のメンバーに Current User(現在ログインしているユーザー)が含まれている、というフィルターで、現在ログインユーザが属する支社(この場合、東北)のタスクを絞り込んで表示しています。

現在ログインユーザーでフィルターをかける例

複数選択連絡先の制約が20の場合、例えば、この支社に20人以上のメンバーがいる場合、一つの基準のみで現在ログインユーザーが属している支社のタスクを表示できなくなるという実務上の制約があることを意味しています。

回避方法としては、下のように当該支社のメンバーが20人を越える場合、メンバー1、メンバー2という風に、別のメンバーリストを用意して、2つのCurrent UserによるフィルターをORでつなぎ、メンバー1かメンバー2に現在ユーザが所属していれば、その支社のタスクが表示されるようにする、という方法をとることとなります。(例えば、支社の営業部メンバー、業務部メンバーを設ける)

このように回避方法はないことはないですが、スケーラブルでなく、スマートなソルーションと言えないでしょう。

2つ以上の現在ログインユーザーのフィルターをORでつなぐ

1つのセルにあまりに多くの情報(この場合、複数連絡先)を持たすと、Smartsheetの動きが遅くなったりするとの考慮で設けられている制限かもしれませんが、優先表示連絡先の上限の50にあわせても良かったのではないかと思います。

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